1993 Fiscal Year Annual Research Report
核膜と細胞質微小菅の間に出現するクロスブリッジ構造の分析
Project/Area Number |
05804051
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
鮫島 正純 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 超微形態研究部門, 研究員 (90142653)
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Keywords | 細胞性粘菌 / 微小菅 / 核 |
Research Abstract |
細胞分化に係わるシグナル伝達が開始される細胞性粘菌の集合期には、核と微小管をつなげるクロスブリッジ構造が出現することから、核と微小菅の機能的関連が予測される。そこで微小菅関連蛋白質を単離・分析する方法を応用して、この構造を構成する分子の検索を目指した。 増殖期あるいは集合期の150,000g細胞上清に、タキソール存在下で重合させたブタ脳チューブリンを加えてインキュベートし、その沈殿からMgATPあるいは0.4M NaCl処理で遊離してくる成分をSDS-PAGEで分析した。予想に反して、集合期細胞に特異的に出現あるいは増加するバンドは見い出せなかった。しかし、約42、70、105および220kDのバンドが共通して検出された。このうち42kD成分がアクチンであることはウェスタンブロッティングで確認された。また220kDバンドは、ATP存在下でより多く遊離することから、微小菅に非特異的に付着したミオシン重鎖であると判断された。 そこで70および105kD成分のアミノ酸配列の分析を自動エドマン分析法で行ったが、N末端アミノ酸が修飾されているらしく解析できなかった。現在はさらにリシルエンドペプチダーゼ分解で得たペプチドを分析する方法を用いて検討しているところである。 一方、目的とする分子が核一微小菅複合体のまま沈殿してしまうために、集合期細胞に特異的なバンドが見い出せなかったという可能性は、ウェスタンブロッティング法で15,000g沈殿画分にチューブリンが検出されなかったことから否定された。しかし念のため150,000g沈殿を分析したところ20%程度のチューブリンが存在することが判明したので、現在この画分の分析も行っている。
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Research Products
(1 results)