1993 Fiscal Year Annual Research Report
圧電素子を動力源とする油圧式アクチュエータの研究開発
Project/Area Number |
05805024
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小西 克信 徳島大学, 工学部, 助教授 (20035653)
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Keywords | 圧電素子 / 油圧 / アクチュエータ |
Research Abstract |
交付申請書に記載した平成5年度の研究計画は、「圧電ポンプ出力の増大」、「圧電ポンプの小型化」の2件であったが、後者に関しては小径の圧電素子の入荷が遅れたため、平成6年度分のテーマのひとつである「往復運動アクチュエータの試作」と入れ換えて実施した。その詳細は次の通りである。 1.圧電ポンプ出力の増大:本年度始めの研究により直径22mm、長さ55.5mm、重量170gfの積層形圧電素子を用いたポンプによって、効率35%で出力62Wが得られた。このときのポンプ弁の効率は51%であり、残り49%は損失となっている。これを低減するために、新しいポンプ弁を多数試作した。旧ポンプ弁との相異は、弁の開口面積を大きくするために弁板を片持ち構造とし、弁座における流体通路の数を増やしたことである。そして、弁座と弁板の形状、弁板の厚さ等を試行錯誤的に修正した結果、1月末現在、ポンプ出力は約10%向上した。弁の開閉周期が約300Hzと高速であるので設計は容易でないが、次年度もこれを継続する予定である。 2.往復運動アクチュエータの試作:圧電ポンプと制御弁と片ロッド型油圧シリンダを組み合わせて、圧電素子への入力電圧の大小により、シリンダロッドの運動方向を反転できる事を確認した。これによって、標題のアクチュエータが原理的に製作可能であることが確認された。このアクチュエータの動作は、入力電圧が規定値以下のときは油圧系内の静圧によってロッドを押出し、規定値以上のときはポンプ吐出圧によってロッドを引き込むものである。このような目的のために、ポンプ室内最大圧力によってポペット弁開度を自動調節する制御弁を試作した。アクチュエータ出力は現在20W程度である。
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Research Products
(1 results)