1994 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞の蛋白質発現制御機構に関する初代培養系を用いた免疫細胞化学的研究
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05807001
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
千田 耕輔 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (30050694)
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Keywords | 肝細胞の初代培養 / 免疫細胞化学 / ジメチルスルフオキシド / コルヒチン / 微小管 / Alkaline phosphatase / γ-Glutamyl trans peptidase / デキサメサゾン |
Research Abstract |
肝細胞の単離後,ジメチルスルフオキシド(DMSO)を含む培地で培養した肝細胞ではAlkaline phosphatase(ALP)は毛細胆管様間隙を取り囲む細胞膜に局在したが,上記培地にコルヒチンを添加した培地で培養したものでは細胞質内に多数出現したライソゾーム様の大きな顆粒内に存在した。又,抗チューブリン抗体を用いた蛍光抗体法で微小管を染めるとDMSO培地で培養した肝細胞では線維状の微小管が細胞質内に網目状に分布するがコルヒチン添加培地では線維状の微小管は消失した。このことからコルヒチンによってALPの肝細胞内から細胞膜への輸送が阻害されることが明かになった。現在上記についての論文を作成中である。Cyclic AMP又はタウロコール酸を含む培地で培養した肝細胞ではALPの発現がやや増加し,ALPの局在を示す強度な免疫細胞化学的反応が細胞質に存在した。しかし、これらの薬物には毒性があり,特にタウロコール酸を含む培地で培養したものでは培養中に死滅した肝細胞が多数存在した。一方,γ-Glutamyl transpeptidase(γ-GTP)は無添加のウイリアムスE培地で培養した肝細胞では少数の細胞の細胞質にγ-GTPの酵素細胞化学的反応が検出された。デキサメサゾンを添加した培地で培養した肝細胞ではγ-GTPの存在する細胞数が増加しγ-GTPは細胞の表面に局在する傾向になり,γ-GTPの発現及び肝細胞の分化が促進されたことが明らかになった。上皮成長因子を含む培地で培養して増殖刺激を行った後,デキサメサゾンを含む培地で培養した肝細胞では更なる発現の増加は見られなかった。
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