1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05807074
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河内 伸夫 東京大学, 医学部(病), 助手 (90204677)
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Keywords | 肝癌 / 血管新生抑制物質 / ウッドチャック / 血管造影 |
Research Abstract |
この1年間に 正常肝ウッドチャック1匹 合計1回 肝癌ウッドチャック3匹 合計4回 肝の血管造影を大腿動脈からカテーテルを挿入して行い,血管新生抑制物質であるアンギオインヒビンを肝動脈より注入した.これまでの結果,得られた知見は以下の通りである. 1.計5回の血管造影のうち,4回まで総肝動脈もしくは固有肝動脈の選択的カテーテル挿入に成功した. 2.開腹による手技では望み得ない長期経過観察に必要な,経大腿動脈性の血管造影の基本的テクニックは,ウッドチャックのような大腿動脈未発達の動物ではかなり困難を伴ったが,一応完成したと考えられる. 3.肝癌ウッドチャック3匹に計3回肝動脈からアンギオインヒビンを注入し,1回は油性製剤単独,1回は多量のリピオドールと混注,1回は少量のリピオドールと多量のアンギオインヒビンを混注した.単独で少量注入したケースでは腫瘍の縮小がみられたが,残りの2例はそれぞれリピオドール,アンギオインヒビンの注入量が過量であったためいずれも肝壊死を生じ,数日で死亡した. 4.現在有肝炎ウッドチャックをさらに7匹飼育中であり,超音波検査で厳重にフォローしているが,肝癌の発生が期待よりやや遅れており,当初予定した実験数をこなせていないのが実状である.今後は薬剤の安全濃度を慎重に検討して実験を継続していく所存である.
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