1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05807075
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
村田 喜代史 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (20127038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 正幸 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (30191000)
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Keywords | 超高速CT / 局所肺 / リンパ流 / 動態解析 |
Research Abstract |
1.全身麻酔下においた成犬において、気管支ファイバースコープを用いてバルーンカテーテルを肺区域気管支に挿入留置した。このカテーテルより10%に希釈した非イオン性ヨード造影剤を用手的に注入し、注入後の肺内における濃度変化を捉えるために5秒ごとに超高速CT像を撮像した。 2.造影剤注入部位のCT値の変化から時間濃度曲線が得られたが、この曲線は25秒後までの急速に低下する部分(10H.U./秒)とそれ以後の緩徐に低下する部分(2H.U./秒)の二つの成分に分けられた。 3.同時に動態画像の解析も行なったが、25秒までは造影剤の注入部位の面積が急速に増加しており、時間濃度曲線の前半部のCT値低下は拡散による造影剤の拡がりの影響が大きいことが示唆された。従って、造影剤の分布面積がほぼ一定になる後半部の緩徐な変化が局所肺の液体動態を表していると考えられた。 4.局所肺に注入された液体の動態には血流とリンパ流が関与していると考えられるので、中枢肺静脈にも関心領域を設定して、そのCT値変化をみたが、造影剤投与量が少ないためにほとんど有意のCT値変化として捉えることができなかった。今後、造影剤注入近傍の肺静脈を確実に捉え、造影剤濃度を変化させる等の方法の改良が必要である。 5.この研究により、局所肺の液体排出時の動態を超高速CTで評価できることが明らかになったが、今後、肺血流成分とリンパ流成分を分離するために、局所肺血流をどのように評価し、本法とどのように結び付けるか検討する予定である。
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