1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05808065
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Research Institution | TOKYO MEDICAL & DENTAL UNIV.DEPT.MEDICIN |
Principal Investigator |
三輪谷 博史 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50222336)
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Keywords | 出芽酵母 / 細胞周期 / GO期 / 出現クローニング / ベクター / cDNA |
Research Abstract |
出芽酵母のGO期に関係する遺伝子の単離を試みる目的で、はじめに突然変異体を得た条件で、発現クローニング法によりスクリーニングする条件の検討を行った。その結果、野生株でもこの方法でスクリーニングすると生存率が1/1000以下に低下することがわかった。これらのことより遺伝子の単離に至ることは、従来のスクリーニングの方法では単離が極めて困難であることがわかった。そのために新たな条件検討が必要だとの結論に至った。また私が発現法として用いたベクター系に、大きく分けて3つの重大な欠陥があることがわかった。1)導入したcDNAの発現プロモーターの方向に問題があって、選択マーカーのアンチセンスが転写され、選択マーカーの安定性が著しく低下する。そのために遺伝子が導入されても選択培地でコロニーを形成するのにバイアスがかかることが予想された。2)導入したcDNAに含まれる転写終了シグナルとベクターの転写終了シグナルとのあいだに高頻度で欠損がおこる。そのため導入したcDNAのなかでの組み替えや欠損が高頻度でおこり、遺伝子の出芽酵母内での発現効率および安定性が極めて不安定になることがわかった。3)出芽酵母での発現プロモーターが大腸菌でもはたらき、蛋白質まで翻訳されている可能性がある。このことにより大腸菌で発現すると、大腸菌の発育を阻害したり、毒性のある遺伝子はライブラリーの中に含まれない可能性がある。以上の欠陥を修正した出芽酵母の発現系を作成しつつある。
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