1993 Fiscal Year Annual Research Report
非等方性乱流場に置かれた二次元物体の後流に発生する乱流混合・拡散機構の解明と制御
Project/Area Number |
05855023
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
松村 昌典 北見工業大学, 工学部, 助教授 (90199860)
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Keywords | 乱流 / 後流 / レイノルズせん断応力 / 垂直平板 / 縦渦 / 速度変動 |
Research Abstract |
主流乱れの方向性と乱流混合・拡散機構の関係を明らかにするために、非等方な乱れのある流れ場を作り、その中に置かれた垂直平板の後流におけるレイノルズせん断応力を測定した。本研究では、非等方な流れ場の形成には、以下に示すように矩形格子と三角翼を用いた。なお以下の記述では、主流方向にx軸、主流と垂直な面内にy,z軸をとる。 1.矩形格子を用いて形成させた非等方性乱流場における実験 矩形格子に比較的近く、時間平均速度分布に格子の影響が大きく現れている領域では、乱れの非等方性が強いことがわかった。すなわちy軸とz軸方向のそれぞれの速度成分による乱れ強さが異なり、また速度相関の積分長さもy軸とz軸方向で異なることがわかった。しかしこの非等方性は下流方向に急激に弱まり、直ちに等方的な乱れとなった。乱れの非等方性のある領域に垂直平板を設置し、後流のレイノルズせん断応力を測定した。その結果、乱れの方向性や強さとレイノルズせん断応力との間に大きな相互関係は認められなかった。 三角翼を用いて形成させた非等方線乱流場における実験 三角翼から放出される翼端渦は、秩序構造をもった非等方的な乱れと考えることができる。本実験では、垂直平板の上流に三角翼を設置し、翼端渦を後流に取り込ませることによって、非等方な乱れがレイノルズせん断応力の発生に与える影響を調べた。その結果、翼端渦が取り込まれる領域では、局所的に大きなレイノルズせん断応力が発生することがわかった。特に翼端渦の中心線に相当すると思われる位置で、レイノルズせん断応力が著しく発生することがわかった。
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