1993 Fiscal Year Annual Research Report
大型結像レンズを必要としない,高分解能光波干渉結像系の基礎研究
Project/Area Number |
05855053
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Research Institution | Oita National College of Technology |
Principal Investigator |
高橋 徹 大分工業高等専門学校, 電気工学科, 講師 (40188032)
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Keywords | 結像 / 分解能 / フーリエ振幅 / 光波 / 干渉 / 相関 |
Research Abstract |
本研究は小口径のレンズを用いて大口径のレンズに匹敵する分解能を得る技術の確立を目的としている.すでに電波の分野では,電波望遠鏡を用いた干渉計の技術が確立しているが,これを光波の分野で行うことができればその利益は多大である.前年度までの研究によって,回復すべき物体が実数物体である場合には,そのフーリエ振幅から物体そのものを回復する技術を確立している.ところが光波は複素数値物体である.光波を観測する場合,特にインコヒーレント光の場合,その光波に対してレンズを通して結像を行うことによって,光波のフーリエ振幅の情報が測定によって得られる.そこで本年度の研究では,まず複素物体をそのフーリエ振幅から回復する手法の確立をめざした.その結果,コンピュータを用いたシミュレーションによって,測定されたフーリエ振幅から複素物体そのものを回復する手法をフーリエ反復法を応用することによって確立することができた.しかしながら実数物体の回復の場合に比べて,測定ノイズに弱いことも明らかとなった.これは複素数という値の任意性の増加によるものと考えられる.次にコヒーレント光を用いた光干渉実験によって,複素物体すなわち光波を,レンズを通した焦点面上で測定されたフーリエ振幅から回復することを試みた.こうして回復された光波を用いて一つの波面ではあるが干渉処理を施した.この結果,波面の2次相関から情報を得ることができることを確認できた.しかしながらphase closureを用いた3次相関から情報を得ることには失敗した.従って回復した光波同士の相関処理には2次相関もしくは強度相関をとる必要があるものと考えられる.
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Research Products
(1 results)