1993 Fiscal Year Annual Research Report
セルロース-金属アルコキシド複合繊維形成を利用した酵素の包括固定
Project/Area Number |
05855115
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福田 明美 東北大学, 工学部, 助手 (60238475)
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Keywords | ゲル / 酵素 / ファイバー / アルコキシド / セルロース |
Research Abstract |
酢酸セルロースとTiイソプロポキシドは均一なゲルを形成する。ゲル形成はTiのCO又はOH基への配位によると思われる。生成ゲルはpH3〜10、高いイオン濃度の溶液で安定であり、通常の有機溶媒で溶解しない。酵素(グルコースオキシダーゼ、ウリカーゼ、インベルターゼ)を分散させたセルロース溶液を紡糸液、Tiイソプロポキシドのアセトン溶液を凝固液として、酵素固定化繊維を作成した。活性は反応初期には急に下がるが、その後は安定で初期値の20〜50%を維持した。繊維を細くするか界面活性剤を添加すると活性が数倍上がる。ミカエリス定数Vは固定化により低下するが、Kはそれほど低下しない。pH依存性は、フリーに比べて至適pHがアルカリ側にシフトする。これは酸化物が両性イオン交換性を示すため、担体中でのpHは溶液のpHより低くなっており、溶液のpHをよりアルカリ側にする必要があるため考えられる。インベルターゼ固定化繊維を簡易バイオリアフタ-に充填してその反応性を見たところ、活性は1日で平衡に達し、20日間にわたり初期値の70%を維持していた。
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