1993 Fiscal Year Annual Research Report
免疫性神経疾患の病因におけるgammadeltaTcellの関与についての研究
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05857077
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
江島 光彦 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40231188)
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Keywords | gammadeltaTcell / 多発性硬化症 / 神経ベーチェット |
Research Abstract |
【目的】)gammadeltaTcellは、特定の感染症で増多を示す一方、サルコイドーシスの末梢血、気管支洗浄液、慢性関節リュウマチの関節液で増加を認め自己免疫疾患との関連が示唆されている。平成3年度奨励研究では、多発性硬化症、神経ベ-チェト等の神経免疫疾患で、末梢血中gammadeltaTcellが高値を示す数例を見いだした。本研究では、これらの患者よりgammadeltaTcellを分離培養し、その特性を検討した。 【対象】正常対照者群2例、MS群2例、神経ベーチェット群1例。 【方法】ヒト末梢血より、バニングでgammadeltaT細胞を分離し、feeder cellとIL-2を加え、2週間培養し、gammadelta Tcell lineを確立した。さらに限界希釈法によりgammadeltaT cell subcloneを作成した。得られたgammadeltaT cell line、およびsubcloneについて、中枢神経ミエリン抗原(MBP、PLP peptide95-116,139-155)、HSP65、PPD、KTH-1抗原との反応性を、thymidine uptakeにより調べた。 【結果】各対照者より得られたgammadeltaT cell lineは、CD45RO、Fas抗原の陽性率がほぼ100%であった。作製したgammadeltaTcelllineおよびこれらのlineから得られた31のsubcloneにおいては、特異的抗原反応を示したものは認められなかった。 【考察】分離したgammadeltaTcell lineは、CD45RO、およびFas抗原の陽性率が高く、リコール抗原に反応するメモリー様Tcellと考えられた。Selmajiらは、免疫組織化学的手法によるMS患者の脳病変の検索で慢性化した病巣の辺縁にgammadeltaT細胞の浸潤と、幼若なoligodendrocyteのhsp65の表出の増加を示した。しかし、今回、検索した抗原については、hsp65を含めて明らかな反応は見られず、標的抗原は明らかではなかった。
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Research Products
(1 results)