1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05857107
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
太田 一保 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30213721)
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Keywords | 甲状腺腫瘍 / 遺伝子 / クローニング |
Research Abstract |
ラット癌化甲状腺細胞株(FRTL-Tc)cDNAライブラリーよりクローニングしたcDNAであるclone140(C140)に対応するmRNAの発現は、ラット正常甲状腺細胞株(FRTL細胞)に比して、FRTL-Tc細胞において、5.8倍の発現量を認めた。われわれは、このC140をプローブとして用い、Northen blot法により、各種ヒト甲状腺組織において、C140に対応するmRNAの発現について検討を加えた。使用した組織は、手術時に得られたヒト甲状腺癌、甲状腺腺腫、およびその周囲の正常甲状腺組織、加えてGraves'diseaseの甲状腺組織を用い検討した。その結果、C140に対応するmRNAの発現は、正常甲状腺組織においてはほとんどの検体において認められなかったのに対して、甲状腺癌、甲状腺腺腫、Graves'diseaseの甲状腺組織においては、全例にその発現を認め、とりわけ甲状腺癌において発現量が著増を示していた。これに対して、コントロールとしたbeta-actin,mRNAの発現量は、各種甲状腺組織において発現量に有為な差を認めなかった。以上の事実は、C140遺伝子の発現が甲状腺組織の増殖において重要な働きを担っていることを示唆するものであり、今後C140蛋白の機能についてさらに検討を要するものと考えられた。
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Research Products
(1 results)