1993 Fiscal Year Annual Research Report
組織培養法を用いた松果体に対する神経支配の多様性に関する研究
Project/Area Number |
05857142
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
野中 徹郎 自治医科大学, 医学部, 助手 (40221486)
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Keywords | 青斑核 / 松果体 / チロシンハイドロキシラーゼ / GFAP / フィブロネクチン / 培養 / ラット(ウィスター) |
Research Abstract |
個体発生上、特異な性格を有する松果体を対象とし、この器官に対する神経入力の可塑性、及びそれに寄与する因子をin vitroにおいて解析した。すなわち、新生仔ラット松果体を同種成体ラットの青斑核、あるいは上頸神経節とともに同時培養し、松果体内への神経線維の進入を観察した。また、対象として、松果体、大脳皮質をそれぞれ交感神経幹上頸神経節、青斑核とともに同時培養した。この実験により以下のような知見を得、発表した(Cell and Tissue Res 273:525-531,1993)。 (1)いずれの組織も良好に培養され、青斑核からは抗チロシンハイドロキシラーゼ抗体にて染色される神経線維が多数伸長した。 (2)その神経線維は、松果体内には進入しなかった。ただ、両者の間に分布する細胞の種類が、青斑核の神経線維伸展に影響を及ぼした。 (3)青斑核から大脳皮質、あるいは交感神経幹神経節から松果体への神経線維の進入は著明にみられた。 これらの結果は、in vitroにおいても本来の神経線維の支配が再構築されることを示唆するものであり、また特殊な環境下においては神経支配の特異性が変化する可能性も示され、神経の再生と可塑性の解明にあたり大きな意義を有する。今後、さらに神経の特異的な再生に寄与する因子を解明する必要がある。
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Research Products
(1 results)