1993 Fiscal Year Annual Research Report
星状神経節ブロックが免疫器官におよぼす影響に関する神経学的研究
Project/Area Number |
05857156
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
増田 和久 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20231590)
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Keywords | 骨髄 / 交感神経 / 感覚神経 / WGA-HRP |
Research Abstract |
骨髄の神経支配をイヌおよびネコを用いて実験的に検索した。実験方法は、WGA-HRPを神経トレーサーとして前頭骨、上腕骨、大腿骨のそれぞれの骨髄に注入した。対照群として、注入部と同じ部位の骨膜にWGA-HRPを注入した。 前頭骨の骨髄注入例では、両側の三叉神経節、迷走神経下神経節(NG)、上頚神経節(SCG)に標識細胞が認められた。対照群ではNGに標識細胞は認められなかった。上腕骨の骨髄注入例では、両側のNG、星状神経節(SG),頸髄から胸髄の中位レベルまでの脊髄神経節(DRG)に標識細胞が認められた。SGは同側性が優位であったが、NGとDRGに関しては注入例により優位性が明確でないものも観察された。対照群では、第5頸神経から第2胸神経のDRGとSGに標識細胞が認められ、それらは注入側のであった。大腿骨の骨髄注入例では、腹腔神経節-上腸間膜動脈神経節複合体(CM-SCG)、下腸間膜動脈神経節(IMG)および下位腰神経および仙骨神経の幹神経節、さらに下位胸部から仙骨部のDRGに標識細胞が認められた。これらの神経節に認められた標識細胞は必ずしも同側性優位ではなく、両側性が強い注入例もみられた。対照群では、注入側と同側の第4腰神経から第2仙骨神経のDRGに、また注入側と同側の第6および7腰神経と第1仙骨神経の幹神経節に標識細胞が認められた。CG-SMGには少数の標識細胞がみられたのみであった。 本研究において、骨髄を支配する感覚神経の起始細胞の分布は、内臓感覚を支配するそれと似ており、広い範囲のDRGにわたっており、皮膚感覚のそれとは明らかに異なっていた。また交感神経系においては、比較的大きな神経節に骨髄を支配する節後線維の起始細胞が局在する傾向があった。
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