1993 Fiscal Year Annual Research Report
緑膿菌感染マウスにおける遺伝子操作ワクチンの有効性および免疫学的機序の検討
Project/Area Number |
05857191
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
西尾 昌代 横浜市立大学, 医学部・眼科学教室, 助手 (20244444)
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Keywords | 緑膿菌 / 遺伝子操作ワクチン / コンジェニックマウス / フローサイトメトリー / 遺伝的制御 |
Research Abstract |
種々のコンジェニックマウスを用い、角膜における緑膿菌感染に対する遺伝子操作ワクチンの有効性を検討した。緑膿菌のエラスターゼ活性中心のアミノ酸を遺伝子操作により変換しエラスチンの付着を阻止することで毒性をなくしたワクチンを接種しておくと、MHCクラスII抗原であるA領域がk,dのマウスは緑膿菌を感染させても角膜病変が軽度で、A領域がb,sのはより重症で、ストレインによる違いから検討した結果、このワクチンの効果はH-2領域のA領域に支配されることが示唆された。 さらに、マウスの腹腔大動脈周囲リンパ節と脾臓より細胞を採取しフローサイトメトリーを用い遺伝子操作ワクチンの効果を免疫学的に検討したところ、ワクチン効果のあったストレインではワクチン効果のなかったストレインに比べ、T細胞/B細胞がワクチン接種により変化しないにもかかわらず、ヘルパーT細胞/サプレッサーT細胞は有意に上昇した。 以上より、遺伝子操作ワクチンが有効であったマウスではワクチン接種によりMHCクラスII抗原と抗原を共に認識するヘルパーT細胞が増加することが明らかになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Masayo Nishio: "The generic effect of engineered vaccine on Pseudomonas aeruginosa infection in mice." Immunogenetics. 38. 280-282 (1993)
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[Publications] 西尾 昌代: "緑膿菌感染マウスにおける遺伝子操作ワクチンの有効性の検討" 横浜医学. 44. 599-605 (1993)