2006 Fiscal Year Annual Research Report
地域および国家間にみる社会と環境との相克に対する予防的水管理の総合的研究:セネガル川流域を事例に
Project/Area Number |
05F05002
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
堀 信行 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FALL Ousmane 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | セネガル川 / 紛争予防 / 住民参加 / 国際河川 / 国家間協調 / 西アフリカ / 水管理 / 地域協力 |
Research Abstract |
セネガル川は1960年代後半から、流域の各国によってダム建設による水資源管理が進められてきた。このような水資源管理はマリやセネガルなど複数の国家による協調で推進されてきた。しかし、セネガル川河口域の水管理プロジェクトは、住民コミュニティーの生活や水利用、地域社会のネットワーク、自然環境に多大な影響を与えてきた。近年、社会ネットワークの変容や住民参加の欠如によって、水資源や土地の利用をめぐる社会不安を引き起こしており、農耕民と牧畜民とのあいだで牧草地や水資源のアクセスに対する軋轢や衝突が生じている。このような軋轢が顕著となった様相は、昨年度と今年度の現地調査によって明らかになった。セネガルのダカールにおいては、セネガル川流域機構と水資源管理機構の協力を得て、サンルイにおいてはガストン・ベルジェ大学、国立水資源機構、ジャマ・ダム機構の協力を得て、情報及び資料収集を実施してきた。 本研究計画はセネガル川河口域における住民間の紛争・軋轢を解決し、社会間あるいは住民と環境との相克に対処するための方法を提供するよう努めてきた。また、ダム建設にともなう自然環境に対する影響をGISやリモートセンシングを利用して解析してきた。このようなGISやリモートセンシングによる解析は、首都大学東京地理学教室の施設によって可能となった。本年度は、本研究計画の最終年度でもあるため、研究代表者である堀と討議を積極的に進めるとともに、研究成果を英文論文にまとめた。また、今後の調査・研究方針について打ち合せをおこなった。
|
Research Products
(2 results)