2005 Fiscal Year Annual Research Report
近代アジアにおける<自己表象>文学の発生と変容に関する研究
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05F05010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安藤 宏 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GANG Q. 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 芥川龍之介 / 支那游記 / 自己表象 / 自然観 / 郭沫若 |
Research Abstract |
当初の研究計画のうち、今年度は特に(1)明治期の漢詩文に表れる自然観と日本自然主義文学に与えた影響、(2)中国近代文学の基礎作りをした創造社のメンバーたちの日本の自然主義文学受容の様態、(3)芥川龍之介における1921年の中国旅行の意味づけ、の三点を重点項目に、資料の収集、調査にあたった。まずパソコン等の情報関連機器の整備をし、その上で書籍をはじめとする資料収集牽行うという展開をたどっている。 このうち(3)については、本研究の推進過程で得た資料を基に、3月14日に白百合女子大学高橋博史研究室主宰の会で研究発表を行った。また、これに関連して、芥川龍之介『支那游記』の中国語翻訳を完成し、その中国旅行の背景を検証した文章を添えて、2006年内に中国で出版する予定である。また、上記の(1)および(2)については、収集した資料を基に日本語で関係する論文を執筆し、2006年11月号『国語と国文学』に発表する予定である。さらに(2)については、今年度の調査をふまえ、2006年5月に早稲田大学の研究会で研究発表する予定がある。 また、本研究課題の調査のため、10月に北京で出張調査を行い、あわせて10月14日開催の北京日本学研究センターの国際シンポジウムにおいて、大衆文化と映像ジャンルに関する発表を行った。それについては、2006年3月15日発行の『東京大学国語国文学会報』に文章で紹介しており、また2006年11月の『日本学研究』に全文が掲載されることになっている。
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Research Products
(2 results)