2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05019
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
亘理 格 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHUNG O. 北海道大学, 大学院法学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 自治立法権 / 条例 / 日韓比較研究 / 地方自治法制 / 環境関連条例 / 土地利用規制条例 / 地方分権改革 |
Research Abstract |
今年度は、研究課題である日韓の自治立法権に関する比較研究をテーマに、自治立法権に関する総合的な日韓の比較研究の構築を目指し、理論研究と実態研究を並行して進めてきた。 韓国と日本は、国の政治体制は大統領制と議院内閣制として異なるものの、双方とも、地方自治の体制は首長と議会の牽制による大統領型の地方自治システムを採用しており、地方自治法制における自治立法権の位置づけ方も似通っている。しかし、韓国の場合、地方自治の歴史は日本に比べて浅く、自治立法の運用も中央の統制による画一化・規格化が行われてきたせいで、自治立法の範囲も限定され、自治立法の自主性も弱いのが実情である。今年度は、韓国の地方自治法制における自治立法の法的地位、自治立法の範囲と限界、法的問題点、法令違反とされた個々の条例に関する判例の動向、及び自治立法に対する国の統制などに関する研究を、日本のそれと比較しながら行ってきた。 そして、自治立法に対する実態研究として、韓国の地方自治体における環境関連条例、土地利用規制条例などの制定状況及びその運用実態を、現地調査と資料を中心に進めるとともに、日本の地方自治体におけるこの種の条例の動向及び運用実態との比較検討も試みた。 韓国における自治立法権の現状は、日本に比べ制定範囲も狭く、実効性・自主性も弱いと言わざるを得ない。しかし、近年進められている地方分権推進課題の一つとして自治立法権の強化が掲げられており、今後、韓国でも、自治立法権に関する研究の必要性は一層高まってくるものと思われる。したがって、日韓の自治立法権に関する総合的な比較研究を通じて、分権改革が進められている韓国と、さらなる地方分権改革を求めている日本の双方において、自治立法論の体系化に貢献することをめざし、研究をまとめていく所存である。
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Research Products
(2 results)