2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05032
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡部 洋 東京大学, 大学院・教育学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 一平 東京大学, 大学院・教育学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 確信度応答法 / 正答選択法 / 多肢選択形式 / 部分的な知識 / 項目情報量 / 連続型項目反応モデル / コンピュータ・テスト / 応答法 |
Research Abstract |
多肢選択形式項目から構成されたCBTに利用可能なそれぞれの応答法の中で、確信度応答法(Probability Testing:項目の各選択肢に対して、正答であると思う確信度を答えさせ、正答肢につけた確信度をそのまま得点とする方法)が最も適切な方法であることが張・石井・渡部の2004年の研究により証明された。また、連続型項目反応モデルを確信度データに用いた場合の項目情報量はすべての被験者に対して同じで、2値データに2パラメタ・ロジスティックモデルを用いた場合の項目情報関数の最大値よりも大きいことは、張・石井・渡部の2004年の研究において確認されている。 確信度応答法を用いた多肢選択形式CBTの実用化に向けて、理論的な研究を行うとともに、2005年4月から6月までは実際調査とテストの作成を行ない、7月に中国の深せん市と長春市で、高校2年生414名を対象に、確信度応答法を用いた多肢選択式英語テストを実施した。 今回の実験で発見された問題点は今後更なる理論的整備と実際の応用に関する研究に大に役に立つと思われる。実験結果から見ると、各項目の確信度データにおける0と1の割合が予想より大きく、連続反応モデルの情報量効果を減らしたと考えられる。その原因の1つは、実験に参加した被験者にとって確信度応答法不慣れなので、自分の知識状態を確信度によって適切に表現することが困難であったからと思われる。また、正答選択法には十分慣れており、その影響もある程度存在するとも考えられる。もう1つの原因として、テストに使用された項目の多くが正答・誤答が明らかに分かる課題を含むものであったこと可能性も考えられる。 この実験の結果を基に、18年3月に「確信度応答法における実証的研究」とした研究論文を大学入試センターリサーチノートで発表した。
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