2006 Fiscal Year Annual Research Report
解析的および数値的手法を用いた神経ネットワークに対するノイズの検討
Project/Area Number |
05F05042
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 義春 東京大学, 大学院教育学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SAFONOV Leonid 東京大学, 大学院教育学研究科 山本義春教室, 外国人特別研究員
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Keywords | 確率共振 / 神経モデル / 数値分析 / シュミレーション |
Research Abstract |
非線形システムでは、適切な強度のノイズの存在により微弱な信号に対する応答が向上する現象が観察されており、確率共振と呼ばれている。典型的な非線形システムである神経系においてもこの現象は様々な動物種で観察されている。本研究では、神経系での確率共振の理論的考察を行うため、神経モデルによる計算機シミュレーションを用いた数値解析を行った。FitzHugh-Nagumo方程式などのリミットサイクル結合系、あるいはより現実的な神経モデル(Hodgikin-Huxley方程式あるいはそれを皮質細胞に拡張したもの)を興奮性・抑制性にシナプス結合させた系において、系全体の入出力特性や多重安定状態のノイズ依存性について検討した。 その結果、昨年度は、適度な強度のノイズ存在下において、FitzHugh-Nagumo結合型モデルにおける情報伝達能力に向上がみられた。この結果はPhysical Review E,73:031914(2006)に掲載された。本年度は、この結果を実際の脳と同様にβ、γ帯域で同期振動が見られるHodgikin-Huxley結合型モデルに拡張し、同様の結果を示した。さらに、適度なノイズの存在の下、同期度自体が外部入力に依存して変化し情報伝達能力をさらに向上させるという新たな形式の確率共振様現象を発見した。これらの結果は、現在Physical Review Eで査読中である。
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Research Products
(1 results)