2006 Fiscal Year Annual Research Report
結び目や絡み目のデーン手術で得られる錐多様体の幾何
Project/Area Number |
05F05045
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
村上 斉 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PASHKEVICH Marina Gannadievna 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 絡み目 / 結び目 / 3次元多様体 / デーン手術 / 錐多様体 / 体積予想 |
Research Abstract |
3次元ユークリッド空間と局所的に同相な図形は3次元多様体と呼ばれ,低次元トポロジーにおける中心的研究課題である.本研究では,3次元多様体の幾何的構造を中心に調べてきた. 我々の研究手法はデーン手術と呼ばれるものであり,これは3次元ユークリッド空間に含まれる絡み目(いくつかの輪)を使って3次元多様体を表示する方法である.一般にその外部に双曲構造が入るような絡み目にデーン手術を施すと,ほとんどすべての場合にその結果は双曲的3次元多様体になり,体積などの重要な幾何的不変量が定義される.また,時としてその絡み目に沿った特異集合(そのまわりを一周したときの角度が360度とは限らないようなもの)を有する場合があり(錐多様体と呼ばれる),その場合でも体積や特異集合の長さのような幾何的量を考えることができる. 本研究においては,絡み目とデーン手術で得られる(錐)多様体の体積などの不変量を,体積予想とのかかわりにおいて調べた.ここで体積予想とは,色付きジョーンズ多項式という絡み目の不変量の漸近挙動を調べることにより,その絡み目補空間の体積が決まるであろうというものであり,1990年代の終わりにR.Kashaevによって提唱され,村上順と研究代表者によって定式化されたものである.近年,体積予想は研究代表者を中心として様々な拡張が考えられてきているが,その拡張の1つとして,代表者は色付きジョーンズ多項式の別の漸近挙動を調べることで,絡み目のデーン手術で得られる(錐)多様体の体積なども得られるという予想(パラメタ付き体積予想)を提唱した. 今年度は,このパラメタ付き体積予想に関して研究分担者の持つ豊富な例を元に様々な計算を行なった.
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Research Products
(1 results)