2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05046
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
中居 功 お茶の水女子大学, 理学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MOVASATI HOSSEIN お茶の水女子大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 複素葉層構造 / ホロノミー / ハミルトニアン |
Research Abstract |
複素2変数の多項式のレベル曲線により定義された複素平面の葉層構造の変形について研究した。変形を、多項式の全微分により低いかってな1-形式を加えることにより与える。変形前のレベル曲線による葉層のホロノミー写像は自明であるので特に可換であるが、多項式のあるレベル曲線の二つのサイクルに沿ったこの可換性が変形に関して保たれるとき、その変形は元々の多項式の変形により与えられるものであることを、サイクルに関する位相的条件の下で証明した。証明は、二つのサイクルのモノドロミーの観察と交換子に沿ったホロノミー写像の解析結果の応用による。また一方で、二つの1変数形式同相の可換関係式以外の一般の関係式にたいしても同様な結果が成り立つ事、さらに一般の複素葉層の葉に沿ったホロノミーには、自明でない関係式が、ある適切な条件の下では現れないことを明らかにする事を目指し、そのための第一歩として、どのような形式同相の関係式があるかを明らかにした。ランク2の自由群の第一交換子群のどのような元が形式同相の関係式として実現されるかを、第一交換子群の第二交換子群による商の上で定義された様々な幾何学的量により特徴付けることができた。形式同相の関係式を求めるためには、形式同相の語のテイラー係数を調べる必要があるが、このために形式常微分方程式を形式ベクトル場の曲線とみなし、その解を表示するために、リー環の曲線のカンベルーハウスドルフ形公式を応用した。この研究の二次的結果として、第二交換子商と自由群のHALL基底と交換子群の元の実平面の中のケーリー図形にそった座標1形式の非可換多項式の反復積分との自然な関係式を見出した。これにより、複素葉層とHALL基底と形式ベクトル場のなすリー環の関係が一部明らかになった。
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Research Products
(1 results)