2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05049
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
内藤 敏機 電気通信大学, 電気通信学部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NGOC Pham Huu Anh 電気通信大学, 電気通信学部, 外国人特別研究員
|
Keywords | 線形差分方程式 / 線形関数微分方程式 / 指数安定性 / 指数デコトミー / 許容性 / ロバスト安定性 / 安定半径 / 正値関数微分方程式 |
Research Abstract |
1.バナッハ空間における線形差分方程式の指数分解性について次のような研究をおこなった。バナッハ空間が解作用素に関して不変な部分空間の二つの系列に分解し、一方の部分空間の系列においては差分方程式の解(考えているバナッハ空間の点列となる)は未来に向って指数安定性をもち、他方の部分空間の系列においては解は過去に向かって指数安定性をもつとき、差分方程式は指数分解的(指数デコトミー)であるという。一方差分方程式を強制項の点列で摂動した非同次線形差分方程式を考えるとき、強制項の点列に差分方程式の解の点列を対応させる写像がある種の総和可能空間から他の総和可能空間への対応をあたえるならば、差分方程式は二つの総和可能空問の間で許容性を持つという。本研究では差分方程式の指数分解性と許容性とがある範囲内において同等であることを示し、微分方程式の場合の既存の結果に対応する結果を得た。 2.一つの時間遅れをもつ線形関数微分方程式の係数行列を摂動した場合、方程式の指数漸近安定性が保たれる(ロバスト安定性)摂動の範囲に関する研究を行った。もとになる関数微分方程式が遅れ時間を変化させてもいつも指数漸近安定性を持つ場合、遅れ時間に依存せず強安定であるという。このような方程式の係数行列をある構造の範囲内で摂動するとき、指数漸近安定性が保存されるような係数行列のノルムの上限を、方程式の強安定半径という。この値を方程式の特性行列のある変換行列を用いて与えた。また関数微分方程式が正値性を持つときは、摂動行列を複素行列、実行列、あるいは正値行列それぞれの範囲で計算する安定半径は、実は同じであることを示した。
|
Research Products
(2 results)