2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05050
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
時弘 哲治 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BIALECKI M.J. 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | セルオートマトン / 有限体 / 超楕円曲線 / 可積分系 |
Research Abstract |
有限体上の離散可積分方程式系に関しては,Kricheverの手法に基づき,τ函数による有限体上の離散KP方程式系の構成を行い解析した。 KP方程式,およびその簡約であるKdV方程式の有限体上での解の構成方法を構築し,いくつかの真空状態解と1ソリトン解を求めた.具体的には種数2の超楕円曲線:v^2+UV=U^5+5u^4+6u^2+u+3に対して,有限体F_<49>上の有理点をすべて求め,ヤコビ多様体上のF_7有理点のなすアーベル群をその巡回群の和として表現し,群作用をある種の時間発展ととらえたF_7上のセルオートマトンモデルとして定式化した.そして,KP真空状態に対する解と1ソリトン解を構成した.さらにいくつかの有限体に対しても同様の考察を試みた. また,佐藤理論を含む可積分系の理論および代数幾何学的な手法を保存量や具体的な解の表示に用いる可能性を考察した.特に超離散化によって得られる可積分セルオートマトン(箱玉系)との関係、初期値問題の解法,頂点作用素との関連について調べた.代数幾何学のいくつかの手法をソリトン理論に広く応用する点に関して議論を行った. 可解格子模型との関連については,周期箱玉系の基本周期が対応する可解格子模型の絶対零度極限での固有値によって決定できることを示し,もっとも単純な場合に以前初等的に求めた結果と一致することを確認した.また,周期箱玉系の状態とベーテ仮設方程式のストリング仮説による解との間に、箱玉系の保存量を表すヤング図形とストリング仮説解を特徴付けるヤング図形を通じて著しい関係が存在することを証明した.
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