2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05050
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
時弘 哲治 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BIALECKI M.J. 東京大学, 大学院数理科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | セルオートマン / 有限体 / 可積分系 / 超楕円曲線 |
Research Abstract |
Mumford, Zelvinskyの考察したLaurent Phenomenaにもとづき,有限体上の可積分マップを考え,任意の初期値に対してLaurent多項式を示す系の考察を行った.このとき,グラフ理論的な手法が有効であることを示した. 離散可積分方程式系にKP方程式,およびその簡約であるKdV方程式の有限体上での解の構成方法を構築し,Nソリトン解を行列式形式で具体的に表示した.また,佐藤理論と同様な手法により,線形差分方程式系から直接に離散非線形可積分系を導き,離散KP方程式が最も低次の方程式として導出できることを示した. さらに,昨年度に引き続いて,佐藤理論を含む可積分系の理論および代数幾何学的な手法を保存量や具体的な解の表示に用いる可能性を考察した.特に超離散化によって得られる可積分セルオートマトン(箱玉系)との関係,初期値問題の解法,頂点作用素との関連について調べた.代数幾何学のいくつかの手法をソリトン理論に広く応用する点に関して議論を行った. 箱玉系の初期値問題について,従来の代数幾何的な手法や量子群の表現論を用いた手法とは別に,初等的な組み合わせ論的手法によって解を具体的に求めることができることを示した. 可解格子模型との関連については,昨年度に引き続き,周期箱玉系の基本周期が対応する可解格子模型の絶対零度極限での固有値によって決定できること,周期箱玉系の状態とベーテ仮設方程式のストリング仮説による解との間に,箱玉系の保存量を表すヤング図形とストリング仮説解を特徴付けるヤング図形を通じて著しい関係が存在することを利用して,変形パラメータが有限な値を持つ場合においても量子セルオートマトンとして意味のある系が構成できることを示した.
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Research Products
(1 results)