2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05050
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
時弘 哲治 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BIALECKI M. 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 有限体 / 超離散可積分系 / 離散KP方程式 |
Research Abstract |
(1)離散可積分方程式に対するKP階層の理論(佐藤理論)の対応物を任意の体に対して有効な形で定式化した.パラメータ付係数を持つ線形常差分方程式系の解が、そのパラメータに関して簡単な線形の偏差分方程式を満たすという条件のもとで、係数たちが非線形差分方程式を満たし、その最低次の方程式が離散KP方程式になることを示した、Zakharov-Shabat方程式に対応する離散方程式系もこの定式化から自然に導かれることを示した.有限体の場合には、周期境界条件なのでは解の総数が有限となるが、離散KP方程式の多ソリトン解の数が、系の大きさと体の標数にどのように依存するか評価を行った.ソリトン解を構成する際に拡大体を用いることによって、非常に多くの解を構成できることがわかった.また、箱玉系のように初期値問題をソリトン解のみを用いて解く可能性について考察した. (2)戸田分子方程式の有限体上の解を考察し、ファンデルモンド行列式型の特殊解を構成した.また、分子数の少ない場合には、適当な変数変換の元に低次元の非線形写像が定義され、系のサイズN=2の場合には、3次元の射影空間の双有理写像となることを示した.一般の場合には、射影空間に定義域を拡張しても、零点による不定性を回避することはできず、一般には双有理写像を得るには有限体に対するブローアップが必要であることを見出した.系のサイズおよび標数の小さな場合について数値計算を行った結果、単に有限体上の写像と見たときには、初期値の約10%程度のみが零点をヒットしないことがわかった.また、空間方向に保存するやや奇妙な保存量の存在を示した.
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Research Products
(3 results)