2005 Fiscal Year Annual Research Report
DMRG数値解析法を用いた光格子量子コンピュータ・量子シミュレータの研究
Project/Area Number |
05F05060
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
山本 喜久 国立情報学研究所, 情報学基礎研究系, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TIMOTHY Byrnes 国立情報学研究所, 情報学基礎研究系, 外国人特別研究員
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Keywords | 量子コンピュータ / 量子シミュレータ / Lattice Gauge Theory / Surface Acoustic Wave |
Research Abstract |
光格子で冷却原子をトラップさせる原理を用いた量子シミュレータの実用の可能性をまず考慮したところ、フェルミ粒子を扱う場合、冷却原子よりは電子を使い、Surface Acoustic Wave (SAW)といわれる半導体の中での弾性表面波を使った量子シミュレータの方が実現化しやすいことが明らかになった。その理由はフェルミ粒子の原子を光の定在波にトラップするとき、パウリの排他原理によって低温にすることが非常に難しいということである。それに引き換え、半導体の電子は扱いやすく、しかも当研究グループで実験が進められる。このような実験が成功するための必要なパラメータなどを計算であきらかにし、その結果を今論文で書き上げている。 その他、量子シミュレーション関係で量子コンピュータ上でLattice Gauge Theoryの計算が通常のコンピュータよりも指数的に早く計算できることを証明した。Lattice Gauge Theoryとは高エネルギー物理で理論と実験をつなげるための重要な理論であり、世界的に数々の研究グループで計算に使われているものである。ただし、莫大な計算量が必要なため、超並列コンピュータを使っても計算量に追いつかないものである。そこで、量子コンピュータがあると課程すると、その計算が速くできるようになるのかを理論上証明する必要がある。指数的に速く計算できるという結果はアメリカのPhysical Review A雑誌とEQIS国際会議で発表した。
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Research Products
(1 results)