2006 Fiscal Year Annual Research Report
プレート運動の決定と日本付近で起こる地震のメカニズムの解明
Project/Area Number |
05F05062
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀬野 徹三 東京大学, 地震研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MOHAMED Salah K. 東京大学, 地震研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 異方性 / ウエッジ / 対流 / クラック / オリビン / ファブリック / フィリピン海スラブ / 太平洋スラブ |
Research Abstract |
フィリピン海スラブ及び太平洋スラブの中で起こる地震を用い,これらのスラブより浅部のウエッジマントル,地殻のS波偏光異方性を求めた.関東地方に関しては,二つのスラブが折り重なって潜り込んでいるので,地震を,フィリピン海スラブの上面および下面,太平洋スラブの三つに分けて調べた.いずれの場合も,北西,北東,東西と三つの速度が速い方向が求まった.紀伊半島下のフィリピン海スラブより浅いウエッジでは,北西と北東の2方向が早く,九州は北部で北西,中南部で東西が速い方向となる.これらはウエッジ内のコーナー流による,オリビンA, Bファブリック,スラブ内に凍結された異方性で説明可能である.太平洋スラブ内のより深い地震による異方性は,関東,東海で北西,紀伊半島で東北東の速い方向を示す.関東・東海下の速い方向は,太平洋プレートの沈み込みとそれに伴うコーナー流によるオリビンAファブリックで説明可能だが,紀伊半島の方向は,これまで中部日本で見出されていた海溝に平行な速い方向とも斜交しており,その説明にはさらなる検討が必要である.
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Research Products
(1 results)