2005 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理計算による金属クラスターの最安定構造決定と磁性算定
Project/Area Number |
05F05069
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川添 良幸 東北大学, 金属材料研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WU Zhijian 東北大学, 金属材料研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 安定構造 / 電子状態 / タンタル / 酸化タンタル / ナノクラスター / 密度汎関数法 / イオン化ポテンシャル / 振動数解析 |
Research Abstract |
酸化タンタル、酸化バナジウム、酸化ニオブなどのナノクラスターと金属表面や有機物質との反応についても精力的に研究が進められており、比表面積の大きな触媒への応用研究が盛んである。本研究課題ではナノサイエンスの新領域開拓と新しいナノクラスターの創成を目指した、密度汎関数法を用いてTan, TanO, TaOn(n=1-3)の中性、正負にイオン化した状態の安定構造、振動数、電子親和力、イオン化ポテンシャル、結合切断エネルギーを求めた。 これらの計算では最安定構造を求めるために、さまざまな初期構造を計算に用いた。振動数解析により複数の異性体を評価した。具体的にはTa2におけるTa-Taの金属結合は電子の増加または減少により強くなることを見いだした。すなわち、驚くべきことに中性のTa2よりもイオン化したTa2の方がTa-Ta間の結合は強く、安定であった。Ta3では中性、イオンともに正三角形の形状が最安定構造であった。カチオンでは正三角形に近い幾何学構造であった。TaOは中性、イオンともに他の酸化タンタルよりも大きな結合切断エネルギーを示した。Ta2OおよびTaO2はC2Vの対称性を持ち、線形形状よりも安定であった。Ta3Oでは中性、イオンともC2Vの対称性をもつ平面構造が安定であった。一方、TaO3は中性(C1)、イオン(C3V)ともに立体構造が安定であった。これらの計算結果を実験結果、以前に発表されている計算結果と比較した。
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Research Products
(2 results)