2005 Fiscal Year Annual Research Report
BiFeO3フェロイック薄膜の巨大強誘電性発現要因の解明と更なる増大への挑戦
Project/Area Number |
05F05073
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥山 雅則 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YUN Kwi-Young 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | BiFeO3 thin film / multiferroic |
Research Abstract |
BiFeO_3は強誘電性と強磁性を兼ね備えるフェロイック(Ferroic)材料として注目されている物質であるが、バルクの状態では強誘電性と強磁性はあまり大きくなく、またこれまで作製された薄膜では絶縁性が悪く、十分な物性が得られなかった。そこで、我々はゾルーゲル法とレーザアブレーション法によりBiFeO_3薄膜作製に取り組み、酸素濃度を制御することにより絶縁性の向上を成すことができた。特に、レーザアブレーション法によりPt/TiO_2/SiO_2/Si基板上に成長したBiFeO_3薄膜は絶縁性もよく、優れた強誘電性を示すことが示された。 まず、分極履歴特性では室温での残留分極値が102μC/cm^2とバルクの〜17倍の値が得られPZTやPbTiO_3膜の最高値を上回るもので、さらに80Kでは152μC/cm^2とこれまでの最大値の約1.5倍の史上最高値を出すことに成功した。また、同時に40emu/cm^3の飽和磁化を持つ磁気履歴特性を示す弱い強磁性を得ることができ、強誘電性と強磁性を併せ持つフェロイク材料としての特徴を示すことが見出された。大きな強誘電性から期待される圧電性については、圧電定数が66pm/VとPZTと同等の特性を得ることができた。このようにBiFeO_3薄膜は、巨大な強誘電性、強磁性、大圧電性を併せ持つフェロイック薄膜として物性、応用の両面から期待される機能性薄膜であることを証明した。
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Research Products
(1 results)