2006 Fiscal Year Annual Research Report
線形及び非線形問題に対する境界型メッシュレス解法の開発とその応用
Project/Area Number |
05F05075
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
田中 正隆 信州大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JIANMING Zhang 信州大学, 工学部, 外国人研究員
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Keywords | メッシュレス解法 / 境界型解法 / 高速多重極展開 / ナノ材料 / ナノデバイス / 熱伝導 / 高速計算 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
周知のように,有限要素法を基礎にした「領域型メッシュレス解法」は多くの研究者が取り組み,汎用性の高い解析システムが活発に研究されている.しかしながら,境界要素法に関連する「境界型メッシュレス解法」については,まだ研究が始まった段階にある.当該研究員と受入れ研究者が共同で提案したのは,境界上に配置した節点情報だけで解析する新しい境界型メッシュレス解法である.この解析方法では,線形問題は境界上に節点を配置するだけで良く,要素情報に関する入力データは不要となり,大幅に計算コストを削減できる.まずラプラス問題から研究に着手し,順次,ポワソン型の諸問題(非線形問題を含む)の解法に取り組んだ. 新しいメッシュレス解析法は,境界要素法と同じく基本解を重み関数として使う.基本解に関する多重極展開を用いれば,ナノ材料シミュレーション等の大規模解析が可能である.また,非均質場の問題や非線形問題などでは領域積分が現れるが,二重相反法を用いることで,メッシュレス評価ができる.本年度は,線形問題の解法の多重極展開による高速化・大規模化で研究成果をあげることが出来た.提案するメッシュレス解法の基本的アイディアを基に,上述の「多重極展開」と「二重相反法(DRM)」を併用すれば,線形問題及び非線形問題,さらに定常問題及び時間依存問題を含む幅広い分野に適用できる汎用解析システムが構築できた.この新しい解析システムのもとでは,全ては解析対象に配置した節点情報だけで問題が解決できるわけであり,計算コストを大幅に削減できる. このメッシュレス解法の汎用性を高めるために,線形問題だけでなく,非均質場の問題や非線形問題,並びに定常問題や非定常問題を取り扱えなくてはならない.この種の問題では境界積分だけでなく領域積分も現れる.本研究では,境界要素法の研究分野で領域積分のメッシュレス評価に成功している「二重相反法(DRM)」を導入することで解決した.この解法の有効性を調べる目的で,非定常熱伝導問題の時間差分解法を対象に取り上げて例題解析を行って有効性を実証した.
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Research Products
(3 results)