2006 Fiscal Year Annual Research Report
メタ媒質の研究及びマイクロ波デバイスに関するその応用
Project/Area Number |
05F05085
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
久保 洋 山口大学, 大学院理工学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MUNIR Achmad 山口大学, 大学院理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 人工媒質 / 人工誘電体 / 人工磁性体 / インピーダンス整合 |
Research Abstract |
まずメタ媒質として人工磁性体を検討し,2つの平行導体板で構成される人工磁性体粒子の動作原理を明らかにし,またその特性をマイクロ波帯線路を使ったモデルで定式化した.この粒子は1枚の母材となる基板の上に作製され,入射電磁波に対して壁を構成するのに適した構造をもっている.このため従来知られている構造の粒子よりも薄い板状の媒質を簡単に作製できるという特徴を持つ.この磁性体粒子の小型化の手段,そして高い等価透磁率が線路としてモデル化したときの特性インピーダンスを下げることで実現できることを示した. 次に人工磁性体と人工誘電体を組み合わせることで媒質のインピーダンスを設計することを検討した.具体的には高誘電率媒質の表面に空気との間のインピーダンスを整合する薄い人工媒質層を作ることを考えた.誘電体を利用しただけでの整合層では1/4波長の厚さが必要であるが,誘電率と透磁率の比が条件を満たし,その透磁率を上げることで薄くすることが可能になる.大きな透磁率は粒子の共振現象を利用して得られるため透磁率に周波数特性が見られる.このため整合できる帯域は広くはなく5GHz帯において50MHzであるが誘電率10.2の媒質に平面波が入射したとき,反射係数を-10dB以下に抑えることができた. 最後に直角座標系における異方性スラブ状媒質を考え,これを波の進行方向に間隔をおいて複数個並べたときの反射特性を解析的に求めた.その結果,媒質定数を選ぶことで反射特性の帯域が変わることが示された.これは媒質定数が異方性を持つことを考えると偏波依存性を持つ空間フィルタへつながるものである.
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Research Products
(3 results)