2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05088
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
都甲 潔 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PRAVEEN Singh 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 外国人特別研究員
|
Keywords | 表面プラズモン共鳴センサ / 抗原抗体反応 / デンドリマー / 爆薬 |
Research Abstract |
トリニトロトルエン(TNT)を超高感度に検出する匂いセンサを開発するため,表面プラズモン共鳴(SPR)バイオセンサによる爆薬分子の測定を行った.バイオセンサの金薄膜チップ上に,11-amino-1-undecanethiol hydrochlorideによる自己組織化単分子膜を形成し,DNP-KLH(dinitrophenylated-keyhole lympet hemocyanin)をbis sulfo-succinimidyl suberate(BS^3)により固定した.マウス抗TNP-gliycine-KLHモノクローナル抗体(TNT-Ab)とDNP-KLHコンジュゲートの相互作用は,SPRバイオセンサによってモニタされた.このバイオセンサ表面におけるTNTの定量は,間接競合法により行った.DNP-KLH表面では,0.15ng/ml(150ppt)から0.005ng/ml(5ppt)の濃度のTNTが検出可能であった.10mMグリシン塩酸をインジェクションし12秒秒間の流通で,DNP-KLH表面を再生可能であり,繰り返し使用できることがわかった.用いたTNT-Abは,0.5μg/mlと比較的低濃度であり,低コストでセンサ応答を得ることができた.また,DNP-KLHセンサ表面は,安定性,保存性,再生の容易さ,検出下限を,高いレベルでクリアできた,また,このセンサ表面は,20日以上の使用,100回以上の再生に耐える表面であった.また,検出感度の多少の低下は見られたものの,6ヵ月以上の長期にわたる保存にも耐えるセンサ表面であった. デンドリマーを用いたDNP-KLHセンサ表面では,TNTに対する検出下限は,0.11ng/ml(110ppt)であった.623のDNP基を持つDNP-KLHを用いたセンサ表面では,検出下限が60pptレベルまで向上した.これらのセンサでも同様に安定性,保存性,再生の容易さ,検出感度,抗体使用量の低減を実現することに成功した.
|