2006 Fiscal Year Annual Research Report
大阪湾海底洪積粘土地盤の変形特性の解明と長期沈下予測に関する研究
Project/Area Number |
05F05091
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
澁谷 啓 神戸大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LOHANI Tara Nidhi 神戸大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 洪積粘土 / 構造 / 圧密 / FE解析 / せん断 / 室内試験 / 沈下 |
Research Abstract |
本研究の目的は、大阪湾沿岸地域で盛んに行われている大規模埋め立てによる海底地盤とりわけ洪積層の長期間にわたる変形の力学的なメカニズムの解明と地盤工学的な沈下予測法の確立にあった。とりわけ、神戸空港の大規模埋め立てにおける洪積粘土層の長期変形特性を研究の焦点とした. 平成17〜18年度にかけて、室内土質実験を実施した.その結果、神戸沖粘土は、構造の発達した土であることが判明した.さらに、大深度試料の試験に耐えることのできる高圧三軸試験装置を新たに開発した。この試作装置を用いた一連の実験により、大阪湾洪積粘土は、約50万年前の古い堆積層にかかわらずその力学挙動は紛れもない「正規圧密粘土」であり、精度の高い標準圧密試験から測定した過圧密比は1.0に極めて近い事実が明らかとなった。したがって、沖積粘土よりも硬質で高強度であるの原因は、圧縮ひずみ速度の違いにより説明でき、これまでしばしば言われてきた「セメンテーション効果」は単なる見かけ上の現象にすぎないことが判明した。さらに、一連の一面せん断試験結果から、各地層の力学特性の非一様性は小さいことも判った。 さらに、これらの力学特性を数学的に表現するための構成モデルを提案した。このモデルは、浅岡らが既に提案しているSYSモデルを基本としており、構造の発達した粘土およびセメンテーションの附加された粘土の応力・ひずみ・強度関係を適切に表現できることを示した。 研究成果の一部は、2006年3月にローマで開催された地盤工学シンポジウムにおいて速報的に公表した.さらに詳細な結果は、2006年7月に開催された地盤工学会年次講演会において、数編の論文として公表した.また、神戸空港の埋め立て地盤の長期沈下特性をある程度シミュレーションすることに成功しており、この成果を土木学会論文報告集において論文として公表の予定である。
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Research Products
(6 results)