2005 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート構造物における高度性能指定型設計法実現に向けた応答制御要素の開発
Project/Area Number |
05F05097
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邉 史夫 京都大学, 工学研究科, 教授
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Keywords | 損傷制御 / 制震装置 / 性能評価型設計法 / 塑性ヒンジ / 高強度コンクリート / 自己復元性 / 軸力 / 寸法効果 |
Research Abstract |
損傷部分の交換や無損傷部材の実現を可能とした損傷制御型構造形式の開発における,損傷制御に関する部分の研究開発を行ない,損傷制御型設計法としての体系を確立することを目的とする。具体的には,高強度コンクリートを用いた無損傷部材の開発を行なった。1階柱の反曲点以下をモデル化した高強度コンクリート片持ち柱を用いた静的載荷実験を行い,曲げ性状を把握した。柱寸法は最大520mm角,最高180MPaの高強度コンクリートを軸力比0.3の条件下においた構造実験であり,これまでの既往の研究に比較して,実構造物の内柱により近い条件下で柱の曲げ性状を確認することができたと考えられる。 180MPaのRC柱では,1次ピークが最大耐力となる可能性があり,最大耐力以降の破壊性状がかなり脆性的であったことから,1次ピークまでの弾性範囲で十分に安全率を考慮して使用する必要がある。拘束効果に関しても,NewRCプロジェクトで得られた知見のみでは,予想できない挙動を示した。130MPaのRC柱では,1次ピーク後に多少の耐力劣化があるが,耐力は最上昇して2次ピークが1次ピーク耐力を上回る。かぶりの脆性的な剥落状況からは1次ピークをこえた範囲を設計対象とすることは避けたいが,変形さえ許せば2次ピーク耐力を設計に用いることは十分可能である。80MPaのRC柱に関しては,NewRCプロジェクトで得られた知見をもとに予想できる範囲で,十分な安全性を確保できる。また,2次ピークの耐力に関して,寸法効果は3つのコンクリート強度において観察されており,さらに大きな実構造物の柱では,適切な安全率を乗じて耐力予想値を低めに見積もる必要がある。
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Research Products
(5 results)