2006 Fiscal Year Annual Research Report
高度結晶配向圧電セラミックス作製のための磁場支援焼結技術
Project/Area Number |
05F05103
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浅井 滋生 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CAO Ziping 名古屋大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 圧電材料 / 強磁場科学 / 結晶配向 / スリップキャスティング / セラミックス半導体 / ZnO / CBST / BNT |
Research Abstract |
平成18年度では、前年度に明らかにした知見をさらに発展させ、新たな配向成形体作製方法を提案した。 それは、予め磁場中スリップキャスティングにより結晶配向させた粉末A, Bを含む成形体を作製し、焼結に過程において化学反応によって所定の結晶配向したセラミックス成形体を作製するものである。 実際には、CaCO_3と(Ca_<0.6>Sr_<0.4>)Bi_4Ti_4O_<15>の粉末をNaCl溶融塩中でCa_<0.9>Sr_<0.1>TiO_3に合成した。この反応はトポケミカル反応で進行し、また、CaCO_3中のCaイオンは(Ca_<0.6>Sr_<0.4>)Bi_4Ti_4O_<15>中のBiと置換することを明らかにした。さらに、Ca_<0.9>Sr_<0.1>TiO_3は(Ca_<0.6>Sr_<0.4>)Bi_4Ti_4O_<15>の結晶形態を受け継いでおり、また、両者の(001)方向はトロポジー的な関係があることを見出した。 一方、正方晶と擬正方晶物質の結晶配向の可能性を理論的に示し、二つのCa_<0.9>Sr_<0.1>Bi_4TiO_3とBi_<1/2>Na_<1/2>TiO_3について検証を行った。二つの粒子の凝集がより早いために、混合した粉末のスラリー中での分散が難しいことが判った。アクリル酸がBi_<1/2>Na_<1/2>TiO_3の分散には効果的であることを明らかにし、アクリル酸を添加後、pHを調整することによってNa_2Ti_3O_7,Bi_4Ti_3O_<12>とBi_2O_3を含有するスラリーの分散に成功した。このスラリーを10Tの磁場印加の下でスリップキャスティングするとBi_4Ti_3O_<12>とBi_2O_3の二つの粒子がそれぞれ配向した成形体を作ることに成功した。この成形体を焼結することによって(100)方向に僅かながら配向したBNTセラミックス焼結体の作製に成功し、正方晶や擬正方晶物質の結晶配向の可能性を明らかにした。
|
Research Products
(3 results)