2005 Fiscal Year Annual Research Report
グリーンコンポジットの製造,特性評価,及び応用技術の確立に関する研究
Project/Area Number |
05F05105
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
吉葉 正行 首都大学東京, 都市教養学部理工学系, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DAUDA Mohammed 首都大学東京, 都市教養学部理工学系, 外国人特別研究員
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Keywords | グリーンコンポジット / 長繊維強化バイオコンポジット / 引張強度特性 / 複合則 / アモルファス相 |
Research Abstract |
人工物系複合材料におけるリサイクル上の問題や環境負荷増大の問題などの観点から,農業系廃棄物を主対象とする天然繊維を強化材に,また生分解性ポリマーをマトリック材として組み合わせたエコフレンドリーなバイオコンポジット,いわゆるグリーンコンポジットが現在脚光を浴びており,これの製造技術の確立とともに,特性評価とその性能・信頼性向上策,さらには各種用途への応用技術の確立が急務の課題となっている. 本研究では,グリーンコンポジットを構成する天然強化繊維とマトリックス用生分解性ポリマー材の選択ならびに製造条件の策定と基本的な機械特性評価ならびに各種機能の評価,さらには各種応用分野を睨んだ性能向上策について総合的に検討することを目的として,本年度は特にマトリックス材の各繊維に対する荷重伝達機能向上において不可欠の性質である非晶性マトリックスを得るための装置の設計製造と各種検討を行った.すなわち,これまでの調査研究の結果,ポリマーマトリックス材の溶融から成形固化の際の冷却条件によってポリマーの結晶化が進むと,延性低下と繊維間への均一な荷重伝達機能の低下などを招来するため,アモルファス状態を得るための成形固化が必須条件であることがわかっている.このため,既設のグリーンコンポジット製造装置の加熱圧縮成形部分に改良を加え,急冷固化によるアモルファス相を得るための検討を行うとともに,これによるグリーンコンポジット製造を可能とする生分解性マトリックス材の探索を実施した. 研究分担者(外国人特別研究員)の来日予定の遅延などにより,本年度の予算執行開始時期が年末までずれ込んだため,上記圧縮成型装置の製造・組立が現在進められている段階であり,適用条件を満たすグリーンコンポジットの製造に関する主要な成果は残念ながら未だ得られていない. しかしその一方では,本年度平行して進めてきたグリーンコンポジットの製造から応用技術までを見通した国内外の研究開発動向の調査と,繊維ならびにマトリックス素材のデータベース整備作業はほぼ順調に進んだため,その調査研究成果の一部に関しては平成18年発行予定の「エコマテリアルハンドブック」(丸善)において発表の運びとなっている.
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Research Products
(1 results)