2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05119
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
後藤 元信 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FANG Tao 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 超臨界流体 / プラズマ / パルスパワー / 分子変換 / アーク放電 / ストリーマー放電 |
Research Abstract |
熊本大学21世紀COEプログラム「衝撃エネルギー科学技術の深化と応用」において、異分野の融合研究として「超臨界流体中でのプラズマ発生とその利用」の研究を行った。本研究は超臨界流体中での非熱プラズマの生成に関して理論と実験の両面から、現象を科学的に解明することと、反応場、分離場、材料創生場としての応用を検討することを目的として研究を行なった。流体としては二酸化炭素と水を用い、臨界点近傍でのプラズマの観測、絶縁破壊電圧の測定などから現象を解明し、非熱プラズマの有機物の反応や分離の応用ついての検討、ナノ材料などマテリアルプロセシングへの応用についての検討を行なった。 1.亜臨界・超臨界流体中でのパルスパワーによるプラズマ生成 気相から亜臨界・超臨界流体条件まで広範な温度・圧力下で二酸化炭素中におけるプラズマをパルスパワーにより生成することに成功した。アーク放電について、遅延時間は4MPaまでは圧力の上昇とともに増加し、5MPa付近で急激に低下の後に再度増加して10MPa程度で一定となった。絶縁破壊電圧は4MPa程度までは圧力とともに増加し、臨界点近傍で若干低下した後、一定となった。ストリーマー放電については積分写真により観察し、絶縁破壊電圧は3MPaから臨界点まで一定で、臨界点付近で急激に増加した後、緩やかに増加し、流体密度に依存していることが判明した。また、超臨界水中でプラズマ生成が可能な装置を設計製作した。 2.有機化食物の放電プラズマによる分子変換 オレイン酸などの有機化合物を原料に分子変換を試み、パルス電圧の印加回数や共溶媒の反応に与える効果を調べた。オレイン酸のみでは微量の飽和化合物が観察されたのみであったが、オレイン酸とエタノールを仕込み40℃、15MPaで10000回放電したところ、テトラデカン酸、9-ヘキサデカン酸などの生成がGC-MSにより確認された。さらに、炭素10-15の飽和炭化水素の生成が観察され炭素鎖切断反応などが起こっている可能性が示された。
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Research Products
(1 results)