2005 Fiscal Year Annual Research Report
金属クラスターをマトリックスとする化学修飾電極を用いた生体類似システムの開発
Project/Area Number |
05F05125
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
棚瀬 知明 奈良女子大学, 理学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ANNAMALAI Senthil Kumar 奈良女子大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 遷移金属錯体 / 金属クラスター / ルテニウム / 電気化学 / 生体類似反応 / 糖質 / 環境調和型化学プロセス / センサー |
Research Abstract |
本研究は,高原子価金属オキソユニットを含む金属クラスターマトリックスの詳細な構造やその機構を分子レベルで解明することを目的とし,さらには,それらを用いた生体関連物質の電気化学的検出(センター),電気化学的変換(触媒),電気エネルギーへの変換(バイオ電池)等の環境調和型システムの開発を目指すものである。 本年度は主として,高原子価Ru化合物を用いた非酵素型グルコースセンサーの開発を中心に研究を行った。まず,高原子価Ru(VII)を安定化させるRu/Feプルシアンブルー(RuOx-PB)マトリックスで修飾を施した化学修飾電極(RuOx-PB/CME)の分子化学的理解を得るために,Ru(oxo)ユニットを含むかご形クラスター化合物の合成を行うと同時に,金属クラスターの基本単位となるRu-O-Ruユニットを含む二核錯体の合成と化学修飾電極への応用を試みた。特に,トリスピラゾリルボレートを末端配位子に用いたRu(III)二核錯体はNafion薄膜内にRu(OH)Ru型構造として安定化することができ,このようにして得られて化学修飾電極の電気化学特性及び電気化学触媒能に関して検討を行ったところ,事情に穏和な条件でNOの還元反応を促進することを見いだした。現在,Nafion担持Ru(OH)Ru化学修飾電極を用い,グルコースの非酵素的酸化反応等,生体類似反応における触媒活性を探索している。また,ピリジン系多座配位子を用いることによりRu(IV)等の高原子価Ru多核錯体を合成し,Ru(VI)=O, Ru(VII)=O等の酸化活性種を容易に発現しうるクラスターシステムの開発を模索している。 上記高原子価Ruクラスター以外に,高原子価Mnを含むクラスターの開発にも着手しており,Mn(IV)オキソユニットが中心に存在するMn17核クラスターの合成に成功した。現在,このようなMnクラスターに関する電子移動および酸化還元特性を解明すると同時に,化学修飾電極への応用についても検討を行っている。
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Research Products
(1 results)