2005 Fiscal Year Annual Research Report
パラジウム・アルキン・炭素プロ求核体による触媒的不斉四級炭素構築
Project/Area Number |
05F05129
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 嘉則 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SONG Dschun 東北大学, 大学院理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | インドール化合物 / 付加反応 / 金触媒 / インジウム触媒 / スルフォニル化合物 |
Research Abstract |
多置換インドール化合物は生理活性化合物の基本骨格として数多く見られることから、それらの化合物の合成法の開発は有機合成において極めて重要な課題である。オルトアルキニルアニリンからの触媒的環化反応は1,2-二置換インドールの合成法として数多くの研究がなされている。しかしながら、窒素上に転位基を有するオルトアルキニルアニリンからの1,2,3-3置換インドールの合成はこれまでにほとんど研究例がない。最近当研究室では、塩化白金触媒の存在下、オルトアルキニルアニリドから、3-カルボニルインドールが合成されることを見出した。私は今回、オルトアルキニルスルフォアニリドからの多置換インドール化合物の触媒的合成を検討した。その結果、触媒量の臭化金の存在下、N-メチルオルトアルキニルスルフォアニリドから、対応する3-メシルインドールが良好な収率で得られることを見出した。興味深いことに触媒として臭化パラジウムを用いた場合、3-スルフォニルインドールとともに、6-スルフォニル化体が生成することを見出した。詳細な触媒、反応条件、基質の検討を行った結果、臭化インジウムを触媒として用い、オルトアルキニルアニリドの他方のオルト位にメトキシ基を導入した場合、6-スルフォニルインドールが選択的に得られることを明らかにした。スルフォニルインドールは種々の生理活性化合物に見られる構造であるが、これまでに効率的な合成方法はほとんど知られていない。本手法はこれ等のスルフォニルインドールの効率的合成法になると考えられる。
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