2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05130
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
笹井 宏明 大阪大学, 産業科学研究所, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MAHESH Patil L. 大阪大学, 産業科学研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | イオン液体 / スピロ / イミダゾリウム / 不斉 / ガラス転移温度 |
Research Abstract |
近年、キラルイオン液体が注目され、開発研究が行われている。しかしながら、未だ高い不斉誘起能を有するキラルイオン液体は報告されていない。今回、我々は、新規なスピロ型光学活性イオン液体の開発を行った。まずは、イオン液体としては、一般的なイミダゾリウム塩に着目し、スピロ骨格を導入した対称型スピロビスイミダゾリウム塩、および異なる置換基を導入した非対称型のスピロビスイミダゾリウム塩の合成を検討した。 対称型スピロビスイミダゾリウム塩(Brアニオン)な、融点が300℃以上であったため、カウンターアニオンの交換により、室温下での液体化の検討を行った。N(CF_3(CF_2)_2SO_2)_2にアニオンを変換したところ、室温で液状の化合物が定量的に得られた。そのガラス転移温度は、示差走査熱量測定装置(DSC)を用いることで、-10℃であることがわかった。同様に、非対称型スピロビスイミダゾリウム塩についても、(CF_3SO_2)_2N^-をカウンターアニオンとして導入すると、室温で液化した。DSCにより、ガラス転移温度は-20℃であることがわかった。 次に光学異性体分離カラムにより上記スピロビスイミダゾリウム塩の光学分割を検討した。その結果、セミ分取用Sumichiral OA-4500を用いることで、光学分割に成功した。光学活性体のカウンターアニオンを(CF_3(CF_2)_2SO_2)_2N^-へ変換し、対称型のガラス転移温度をDSCにより測定したところ、両鏡像体は、光学活性体においてもガラス転移温度が、それぞれ-11℃、ならびに-10℃であった。尚、本例は、非天然物由来のキラリティーを有するイオン液体を純粋な光学活性体として得た世界で初めて例である。
|
Research Products
(3 results)