2006 Fiscal Year Annual Research Report
担持貴金属ナノ粒子の表面プラズモン励起を利用する可視光駆動型光触媒分解反応
Project/Area Number |
05F05134
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大谷 文章 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KOWALSKA Ewa Katarzyna 北海道大学, 触媒化学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 光触媒反応 / 金微粒子 / 表面プラズモン / 作用スペクトル / 再結合 |
Research Abstract |
昨年度までの研究成果にもとづき,酸化チタンに担持させた金微粒子による光触媒反応に焦点をしぼって研究を行った.まず,金の担持法として,1)光析出法(光触媒反応によって析出させる方法),2)含浸水素還元法(金の塩溶液から吸着させたものを熱分解し,さらに水素還元して金属とする方法),および,3)コロイド析出法(金コロイドをあらかじめ調製しておき,これを粉末粒子上に付着させる方法)によって一定担持量の試料を調製した.これらを用いて,a)メタノール水溶液からの無酸素条件における水素生成反応,b)空気飽和の酢酸水溶液からの二酸化炭素生成反応,および,c)気相アセトアルデヒドの分解反応の3つの反応系について,通常の水銀灯および光学フィルター,あるいは多波長照射分光器による照射を行って,最適な担持条件,酸化チタンの種類を決定することを試みた.その結果,担持法の種類によらず,担持量が主たる支配因子であること,酸化チタンの種類によりその活性が大きく異なることを見いだした.また,紫外光領域の漏出光により,可視光領域での光触媒活性の評価が難しくなることが明らかになったので,水銀灯照射装置の改良を行った.この装置による実験では,反応系について,酢酸の酸化分解による二酸化炭素生成の速度がきわめて遅いことが明らかになったので,反応基質について検討を行った結果,2-プロパノールの酸化によるアセトン生成がこの可視光誘起光触媒反応の評価に最適であることを見いだした.最適の金担持酸化チタン光触媒を用い,2-プロパノールの脱水素反応に対する活性を,多波長照射分光器を用いて評価し,反応の作用スペクトルを取得したところ,金微粒子のプラズモン吸収に相当する波長の光により光触媒反応が進行することを明らかにした.
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