2006 Fiscal Year Annual Research Report
透明酸化物半導体をベースとする紫外発光ダイオードの試作(マスターデータと齟齬)
Project/Area Number |
05F05143
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
細野 秀雄 東京工業大学, フロンティア創造共同研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Cheng-Xin 東京工業大学, フロンティア創造共同研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 透明酸化物半導体 / エピ成長 / キャリア吸収 / P型半導体 |
Research Abstract |
透明P型酸化物半導体で、かつ室温で安定な励起子を有する物質としてLaCuOSeを取り上げ、そのエピタキシャル薄膜の作成と光・電子物性め検討をおこなった。 1.基板としてMgO(001)を用いて、金属のCu層を3nm程度下地に敷き、その上にR-SPE法によってエピ薄膜を成長させることに成功した。 2.正孔濃度が薄膜の厚さによって顕著に減少することを見出した。薄膜の厚みが100nmでは、2x10^<20>cm^<-3>であるが、40nmになると2x1021cm^<-3>まで増大した。移動度は3-4cm^2(Vs)-<-1>で変化がなかった。1021cm-3まで正孔濃度が増大したことによって、P型透明半導体の薄膜において、初めて自由電子キャリアの吸収が明瞭に観察され、それをDrude-Lorentzモデルで解析することで、有効質量、運動量緩和時間など電子輸送パラメータを抽出することができた。 3.2で得られた薄膜試料を使って、有機EL素子のホール注入電極としての応用を検討した。 表面クリーニングをおこなうことで仕事関数が5eVというかなり高い値が得られた。ITOよりもホール注入を速やかにおこなえる可能性が示唆されたといえよう。
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