2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05151
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
池田 功夫 福井大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CAO Yu (曹 郁) 福井大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 多糖 / 硫酸化多糖 / セレン酸化多糖 / 抗酸化性 / 抗腫瘍活性 |
Research Abstract |
天然高分子の多糖は、様々な食料や生活材料として古くから人類と関わりのある物質である。また、生体分子として、生命活動にも深く関わっている。このような多糖の利用を目的として上記課題の研究に取りかかったが、中間の多糖誘導体を調製していくうち、当初の計画とはやや目的が異なるが、興味深い機能を持つ誘導体の新規な合成法を見出すにいたった。すなわち、セレン酸化多糖の合成である。 セレンは必須元素として極微量が生体にとって不可欠であるが、多量の摂取は有害・有毒である。セレン酸化多糖の合成に関する報告や特許はこれまで少なく、国内では二、三の食品会社から発酵法による合成特許がある以外は、中国での化学合成法による特許が1件見受けられる程度である。後者の中国特許(CP)では、誘導体の抗酸化性や抗腫瘍活性が述べられている。 本研究において我々は、これらの機能性に着目し、中国で行われている過酷な反応条件およびそれにもかかわらず低い誘導化率を改良することに取り組んだ。その結果、CPでの低いセレン含量(12%以下)に比して、極めて高セレン含量(最大で45%、セレン酸基置換度3)の誘導体が温和な条件で、しかも安全に調製できることを見出した。これらを用いたDPPHやヒドロキシルラジカルの消去能力(抗酸化性)は大きく、中間誘導体である硫酸化多糖の2倍の活性を示した。ヒト肝ガン細胞株HepG2に対する抗がん活性は現段階では明確な結果は得られていないが.硫酸化多糖およびセレン酸化多糖のいずれもある程度の活性を示すことが判明している。この場合、多糖にはデンプンが適していた。これらの結果を1編の報文と2編の特許にまとめ投稿・申請中である。他に、関連報文1編を投稿した。
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Research Products
(1 results)