2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05153
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 崇 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GNYLOSKURENKO S.V 東北大学, 多元物質科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 発砲アルミニウム / 発泡剤 / 軽量化 / 高強度 / プレカーサー / 界面制御 |
Research Abstract |
発泡アルミニウムの製造に関しては、古くから多くの方法が提案されているが、いずれの方法も大変な2工程を要するため、高価であり、実用材料としては非常に限られた部品でしか使用されず、自動車には本格的な採用はされていない。本研究では、実用材料としての発泡アルミニウムの安価な連続鋳造プロセス開発を行った。 今回の製造法は、複雑形状が作りやすいプレカーサー法を検討した。理論的解析の結果、均一で高性能の発泡アルミニウム合金を作るためには、用いるアルミニウム合金の軟化温度と発泡剤の分解温度の関係が重要であることから今回、使用したアルミニウム合金の軟化温度より若干低い温度で発泡する新型発泡剤の開発を行った。基本として安価な工業用ドロマイトを用いることとし、その発泡温度を調整するためにメカノケミカルの手法を用いた。具体的には遊星ミルを用いて、シリカなどの酸化物を添加し、ドロマイトを微粉砕した。これらの試料のTG/DTA分析結果から最適の粉砕条件を明らかにした。 さらに具体的に発泡剤を混合し、プレカーサーを作成し、種々の発泡材料を作成した。発泡した材料の組織解析を行った結果、混合法とその間の水分管理が非常に重要であることを明らかにした。特に原料となるアルミニウム粉末の保管方法が重要でそこで水分があるとその水分が金属アルミニウムと反応し、水素ガスが発生する現象が見られ、それらの気泡形態は、本来のドロマイトから発生するCO2による気泡とはまったく大きさが異なり、凝集しやすく巨大化することがわかった。以上の結果は、高温の透過X線を用い、直接的に発泡現象を観察することで確認した。 発泡剤の調整やプレカーサーの製造時の条件を調整することで、かなり大型数10cm角柱や同じくらいの径の複雑形状の円柱などを作成することが可能となった。
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Research Products
(4 results)