2005 Fiscal Year Annual Research Report
多置換ジエンの幾何構造制御に基づく連続不斉炭素中心構築
Project/Area Number |
05F05163
|
Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
上西 潤一 京都薬科大学, 薬学部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SIRIWARDANA A.I. 京都薬科大学, 薬学部, 外国人特別研究員
|
Keywords | 三置換オレフィン / ジエン / クロスカップリング / 立体選択的反応 / 異性化 |
Research Abstract |
本研究では、多置換ヨードシエンの幾何構造を制御した合成を展開するとともに、これらのジエンを用いて分子内および分子間Diels-Alder反応に供して、連続した不斉中心の構築を達成し、天然有機化合物の多置換デカリン環の合成を行うことを目的としている。以下に平成17年度の成果をまとめる。 (1)1,1-ジブロモアルケンからPd触媒を用いる園頭反応を行う事によりZ-ブロモエンインを立体選択的に導き、続いて、熊田・玉尾・Corriu反応を行う事により三置換エンインを立体選択的に得た。この際、遷移金属が触媒するクロスカップリング反応にも関わらず、アルキルマグネシウムハライドを用いると立体化学が反転するという極めて珍しい現象に遭遇した。 (2)そして、このエンインの末端アセチレン部分をシスおよびトランスヨードアルケンに導いて、(1E,3Z)-ヨードジエンおよび(1Z,1Z)-ヨードジエンを立体選択的に合成する事が出来た。 (3)次に、オレフィン共役鎖がもう一つ伸長した1,1-ジブロモ-1,3-ジエンを用いて上記反応を行っても、アルキルマグネシウムハライドを用いると、反応は立体化学の反転で進行する事が確認された。一方、メチルリチウムを金属試薬に用いると立体化学が保持で進行することを見いだした。そしてこの奇妙な立体化学の現象が、アルケニルメタルの1,3-移動に基ずく異性化により起こる機構を低唱することが出来た。
|