2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05170
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AGUDELO Carlos Alberto 京都大学, 再生医科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | バイオ人工膵臓 / インスリン分泌 / 拡散 / ハイドロゲル膜 / 凍結保存 |
Research Abstract |
平成17年9月下旬に来日してからの研究成果の概略を述べる。 透過性試験:バイオ人工膵臓作成には各種膜が免疫隔離膜として検討されてきた。これらの膜に求められる性質としては、酸素、アミノ酸やグルコースの細胞の生存にとって大切な低分子、さらに、膵島が分泌するインスリンをよく通過させるが、一方では、拒絶反応に関与する抗体や補体などの高分子量のタンパクは通過させないことが望まれる。バイオ人工膵臓の臨床使用さらにデバイスとしての販売を考えると凍結保存できることが望ましい。しかし、凍結保存すると膜内に氷が形成され、膜の特性が劇的に変わってしまうことをよく経験する。われわれが膵島のカプセル化に使ってきたアガロースゲル膜はその代表的な例である。以上のことから、アガロースとポリビニルアルコールを素材としたハイドロゲル膜について、自作Two-chambers cellを用いて凍結前後での各種溶質の透過性を調べた。ポリビニルアルコールはグルタールアルデヒドを架橋剤として用いてハイドロゲル膜を作成した。アガロースゲル膜では凍結融解することで、マクロな膜構造にも変化があり、透過性は大きく変化した。一方、ポリビニルアルコールを素材としたハイドロゲル膜では凍結・融解の影響は小さく、凍結・融解前後で透過性の変化はほとんど見られなかった。ポリビニルアルコールは膜素材としては優れているが、グルタールアルデヒドは細胞毒があり細胞を生きた状態で膜内に封入することは困難である。現在、空気酸化でゲル化する側鎖にチオール基を有するポリビニルアルコールを合成し、そのゲル化条件やできたゲルの力学特性を調べている。 数値解析研究:各種タイプのバイオ人工膵臓のグルコース刺激に対するインスリン分泌応答性の解析を拡散モデルを用いて行う。現在、プログラムを作成しているところで、未だ報告できる成果は出ていない。
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