2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05170
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AGUDELO Carlos Alberto 京都大学, 再生医科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | ランゲルハンス島 / 膵島 / バイオ人工膵臓 / アガロース / 拡散 / 免疫隔離 / 凍結保存 |
Research Abstract |
我々のグループでは膵ランゲルハンス島(膵島)をマイクロカプセル化したバイオ人工膵臓の開発を行ってきた。カプセル膜中でのグルコースとインスリンの拡散はバイオ人工膵臓の機能に直結し、一方、抗体の拡散は免疫隔離すなわち拒絶反応からの保護効果に関連する。種々の分子量を持つ物質のアガロースゲル膜中での拡散定数を決定した。グルコースとインスリンの拡散定数はそれぞれ1.2×10^<-5>と2.7×10^<-6>cm^2/secであり、また、マイクロカプセルにおいてアガロース膜の厚さが100μ・m以下であるため、食事時の血糖値の変動に対して、十分素早く応答してインスリン分泌を行えるシステムになっていることがわかった。また、分子量が抗体IgGのほぼ3分の1であるアルブミンがアガロースゲル膜中を拡散できず、液性免疫からの保護効果が期待できることも明らかになった。 バイオ人工膵臓が治療法として定着するためには、使い時にすぐ使えることが必要である。このため、凍結保存法の開発が進められてきた。しかし、マイクロカプセル化膵島の凍結保存は難しく現在まで成功報告は無かった。新しく開発した凍結保存液を用いてマイクロカプセル化膵島の凍結保存を行ったところ、膵島機能に障害を与えない、アガロースカプセル膜の強度を低下させない、さらに、アガロースカプセル膜中での物質拡散定数が未処理膜とほぼ同じに保てることがわかった。バイオ人工膵臓の保存に新局面を開く結果である。
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