2005 Fiscal Year Annual Research Report
湖沼生物間のエネルギー輸送および湖沼の安定性と種の多様性への適用に関する研究
Project/Area Number |
05F05175
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
浅枝 隆 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DODAMPE GAMAGE T.P. 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | プランクトン食性魚 / 捕食率 / 空腹度 / 遊泳速度 |
Research Abstract |
湖沼に生息する小型のプランクトン食性魚は生態系のなかでも重要な役割を果たしている。しかしながら、その捕食特性は十分明らかにされておらず、現地で調査することは極めて困難である。本年度は、実験室においていくつか条件を整え、ここでは特に、遊泳速度、補食率に対する空腹度の影響について調べた。 モツゴ(Pseudorasbora parva)とラスボラ(Rasbora doniconius(Cyprinidae))の補食および遊泳特性について、2種類の餌のタイプ(Daphnia pulexおよびArtemia salina)とその密度(0.5,1,2,5,10,or25個/リットル)に対する振る舞いを調べた。実験は36時間絶食状態から行った。それぞれが満腹になる状態を、補食し続けた回数で定義すると、モツゴ(P.parva)は425回、ラスボラ(R.daniconius)は390回であった。 初期の補食率は餌密度に依存しており、高い密度であるほど急速に補食する傾向が得られた。その後、満腹になる時間も早く、補食率は急激に下がり、一定となった。遊泳速度は餌密度と逆比例する傾向が得られた。さらに、その速度は空腹度と直接的に関係していることが明らかになった。餌密度に対して攻撃する割合と遭遇する割合についても空腹度と相関があることが明らかになった。 以上のことから、魚の行動は、特にその空腹度が深く関わっており、重要なファクターであることを指摘した。
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Research Products
(1 results)