2006 Fiscal Year Annual Research Report
膜蛋白質Semaphorin 6CのX線結晶構造解析
Project/Area Number |
05F05183
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
月原 冨武 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI S.J. 大阪大学, 蛋白質研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 膜蛋白質 / Semaphorin 6C / 高等生物の培養細胞 / 発現 / 精製 / 結晶化 / 構造解析 |
Research Abstract |
Semaphorin 6C(Sema6C)は1回膜貫通型の膜蛋白質で、神経節の成長制御において重要な役割を果たしており、近年、創薬ターゲットとして大きな注目を浴びている。この膜蛋白質の構造解析は創薬という応用面のみならす、1回膜貫通型の膜蛋白質による情報伝達の仕組みを解き明かす基礎研究としても重要である。本研究ではSema6Cの細胞外ドメイン及び分子全体を高等動物細胞で大量発現、精製、結晶化及びX線結晶構造解析を目指す。 平成17年度にSema6Cの細胞外ドメインについて、いろいろな発現系を試して、哺乳動物の培養細胞293Tを用いた系において恒常的な発現系の構築に成功しており、結晶化するために十分な量の蛋白質を得ることができた。さらに精製・結晶化条件の検討を行った。検討の結果、この蛋白質の微結晶を得ることができたが、X線結晶構造解析に必要な大きさの結晶を得ることはできなかった。またSema6Cの全長蛋白質の大量発現系を哺乳動物の培養細胞293Tで接着培養の一過性発現系と恒常発現系を構築し、発現をウエスタンブロッティングで確認した。 平成18年度にSema6Cの細胞外ドメイン結晶化の条件に続く検討を行ったが、良質の結晶を得られなかった。Sema6Cの細胞外ドメインは分子量の約10%が糖鎖である。糖鎖は良質の結晶を得ることを困難にすると考え、糖鎖を切断した蛋白質が安定する条件を探し、糖鎖を切断した蛋白質を用いて結晶化条件の検討を行った。十分な量の全長Sema6C蛋白質を得るためには、全長Sema6C蛋白質の293T発現系の代わりに、バキュロウイルス発現系を構築し、Sf9昆虫細胞を使って、大量発現を行った。発現をウエスタンブロッティングで確認し、精製条件の検索を行った。Semap6Cは1回膜貫通型の膜蛋白質であるため、界面活性剤による可溶化条件の最適化等検討を行った。構造解析を行うために、精製の検討、結晶化条件の検討に取り組んだ。
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