2007 Fiscal Year Annual Research Report
コムギとイネの種子胚発芽時におけるミトコンドリアバイオジェネシスの比較解析
Project/Area Number |
05F05187
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中村 千春 Kobe University, 農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NAYDENOV Nayden G. 神戸大学, 農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ミトコンドリア / チトクローム鎖 / シアン耐性鎖 / オルタナティブオキシダーゼ / 種子発芽 / パンコムギ / 遺伝子発現 / オルガネラマクロアレイ |
Research Abstract |
急激な呼吸鎖の発達を伴う種子胚の発芽過程は、植物ミトコンドリアの構造と機能の発達過程(ミトコンドリアバイオジェネシス)を解析する格好の対象であり、低温、低酸素分圧などの環境ストレス下での発芽および幼苗の生育など農業上重要な解析対象形質である。 本研究の目標は、コムギを材料に、種子胚の発芽過程におけるミトコンドリアバイオジェネシスを、ミトコンドリア電子伝達系を構成する遺伝子群とそれらがコードするタンパク質群の発現動態から明らかにすることである。特に、シアン耐性酸化酵素であるオールタナティブオキシダーゼ(AOX)の役割を低温及び湛水ストレス下で検証し、AOXの発現制御に関わる核とミトコンドリア間の情報伝達機構を明らかにする。 1)tDNAとrDNAを除くミトコンドリアの全遺伝子群とORFをブロッとしたミトコンドリアマクロアレイを作成し、ミトコンドリア転写産物測定の精度をリアルタイムPCRで検証した。 2)ミトコンドリアマクロアレイを用いて、ミトコンドリア遺伝子群の転写産物量の発芽に伴う変動を測定した。特に、チトクローム鎖が阻害された条件では、AOX転写産物量が大きく増加することを明らかにした。 2)ミトコンドリア電子伝達系に属する酵素群の量的変動をウエスタンブロティングにより測定した、チトクローム鎖が阻害された条件下でのAOX量の増加を検証した。 3)ミトコンドリアマクロアレイとウエスタンブロティングにより、発芽過程の低温、乾燥、塩ストレスがミトコンドリアバイオジェネシスに与える効果を解析し、ストレスへの反応が遺伝子特異的であることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)